未練のみさちゃん

未練たらたら女だからこその、別れた彼の好きだったところを、書いてみます。話が逸れてしまうけど、今「未練」と打ちながら思い出したのは、小学校、中学校が一緒だった地元の子の家が、バーのような飲み屋さんで、そのバーのお店の名前が、みれんだった。きれいなお母さんだった。きっとどこかにみれんを残してきたのかもしれない。


別れた彼のことについて、まず、わたしにとって彼は、付き合ってからも、どこか不思議で、気になる存在で、気になって気になって、たくさんのことを知りたかった。どんな心の人なんだろうって。でも、たくさんは探れずにいて、遠慮していた。少し知っただけで、満足度は高かった。遠距離だったから、毎日の基本のコミュニケーションは、LINEだった。この記事がおもしろい、このコラムおもしろい、この画像おもしろい、彼に送信しては、彼からどんな反応がくるか、それがとても好きだった。

彼からは特別長いコメントが来るわけではない。おもろ。大抵そんな感じの返事だったけど、おもしろいを共感できている!そんな気持ちが嬉しかった。彼からも、ニュースの記事や、時短レシピ、ダイエットレシピがよく送られてきた。URLが送られてきたとき、わたしのワクワクが毎度少し上がるのだ。レシピはたぶん、痩せてね、っておちょくられていたと思うけど、それはそれで楽しかった。


わたしが仕事でヘマをして、家に帰ってからも涙が止まらなくて、彼に電話をして泣いた事があった。初めて彼の前で泣いたと思う。電話越しだから、彼の前ではないけれど。


「泣いてる理由、あなたは言いたいひと?言いたくないひと?言いたくなかったら、無理に言わなくていいよ。俺の今日の昼ごはんの話ししようか!」


って言ってくれた。たぶん、どうって事ない言葉なのかもしれない。はたからみたら、もしかしたら冷たいのかもしれない。だけど、わたしは彼の口から出たその言葉が、嬉しくて嬉しくて、ボイスレコーダーでもつけて、永遠と残しておきたかった。


「今日の昼ごはん、ちょっと高いやつ食べちゃったよ。」


ってたぶん、1000円いかないくらいのものだったと思うけど、、、あーぁ。忘れちゃった。彼がその日食べたお昼ご飯、前まで覚えていたはずだったんだけどな。そんな話しをしてくれて、フッと鼻で笑えた自分が、誇らしかった。


彼はキャンプを趣味にしたいと言って、付き合ってから、キャンプ道具を一式買っていた。一緒にテント張りを共同作業して、回数を重ねるごとに、お互いスムーズになっていくのが楽しかった。家でキャンプ飯を練習していて、キャンプならではの凝った男飯的なご飯が嬉しかった。

夏の前の川の流れる感じとか、秋のどんぐりとまつぼっくりだらけの感じとか、季節を一日中感じられるキャンプの魅力を肌で感じた。

夜は、虫の声とか風の音とかが聞こえる中、二人テントで寝た。ちょっと怖くて、だいたい眠りが浅くなって、起きたり寝たりを繰り返した。

翌朝、「あなたあんまり眠れてないでしょ?」って、彼が言ってきた。なんでわかった?って聞いたら、「あなた、寝てる時に絶対荒い鼻息たててるから。。。」


うーん。ありがとう。わたしの寝てる時の、荒い鼻息を受け入れてくれて。そういうあなたもあんまり眠れてなかったんだね。


旅行に行って、温泉宿に泊まったときは、夜中背中と喉がすごく痛くなって、呼吸をすると違和感もあって、部屋に置いてあった日本人形が原因かも!と思ったら、恐怖で眠れなくなって、「ねえ!背中が痛くて眠れない!!」って彼を起こした。「ん?仰向けで寝てみれば?」と言って彼はすぐ眠りについた。そのときはさすがに、冷たい!って思った(笑)


インスタ映えで有名な、とっても綺麗な橋を見に旅行にも行った。人がたくさんいる中で、二人で写真を撮るのがこっぱずかしくて、二人での写真を撮らずにいた。帰る途中で彼が、「あなた珍しく、二人で撮ろうって言ってこなかったね。」って言ってきた。うん、、、恥ずかしかったからだよ。でも、一人一人撮れたから良かった。。。今思えば二人で撮りたかったのかな?いやそれはたぶん思い込みもいいところだろうな。


 彼は、わたしが今までの思い出とか、出来事をすぐ忘れるから嫌だと言っていた。でも、わたし、あなたとの日々が、まだまだたくさん出てくる。ちょっとした、何気ない会話とか、苦笑いする表情とか、寝てる姿とか、眼鏡で運転してる姿とか、一緒にいるときは、ずっとあなたを見ていたから(笑)


もう、お別れをしたんだ、ストーカーにでも成り得そうなくらい、あなたとの別れが悲しくて、悔しくて、やり切れない気持ちでいっぱいになる。これまで、たくさん知れたあなたとの思い出に終止符を打った。

もっと深いはなしを、あなたの口から直接聞いてみたかった。わたしも面と向かって、自分の気持ちや不安をぶつけた方が良かったのかもしれない。一緒にいる時間は、いつもタイムリミットとの戦いだったから、なるべく楽しく過ごしたかった。会えない時間を心穏やかに過ごすためにも、会えてる時間を大切にしたかった。わたしのひと言で、困る表情なんて見たくなかったし、想像したら怖かった。いつも駅まで送ってくれるときの車の中で、「いつまで遠距離なんだろうね。」って言いたいような、言いたくないような。言えずにバイバイした後の、モヤモヤを思い出すと、自分に乾杯したくなる。自分の心を保護しすぎたかな。


また会いたいな。

わたしがもっと綺麗になった姿を見せたい。

コロナに気をつけてね。仕事はほどほどにね。パチンコもほどほどにね。元気でね。ちょっとはわたしのこと、思い出してね。